木は、完成した瞬間が最終形ではありません。
使われることで、触れられることで、時間を重ねることで、少しずつ姿を変えていきます。
色が落ち着き、艶が生まれ、ときには傷が残ります。
それらは、劣化とも、完成とも言い切れない、時間の痕跡です。
ICHIYOSHA のプロダクトは、使い始めをゴールとしていません。
手に取られ、生活の中に置かれ、日々の動作の中で使われることを前提に、形を考えています。
そのため、時間の経過によって起こる変化を、あらかじめ織り込んでいます。
変化の現れ方は、使う人や環境によって異なります。
同じものを、同じように使っていても、同じ姿になることはありません。
それぞれの生活の中で、それぞれの時間が刻まれていきます。
傷が付くこともあります。
色が変わることもあります。
それらを、良いとも、悪いとも、決めていません。
ただ、使われた時間がそこにある、という事実として受け止めています。
ICHIYOSHA では、新品の状態だけを基準に価値を定めることはしません。
時間とともに変わっていくことも含めて、一つのプロダクトだと考えています。
使い続けることで、少しずつ手に馴染み、意識しなくなるほど生活に溶け込む。
そのような状態になるまで、時間がかかることもあります。
それでも、急がせることなく、その変化を受け止めながら使ってもらえたらと考えています。